認知症
年をとれば、誰もが認知症になる可能性があります。2012年10月時点で、65歳以上の高齢者の認知症の有病率は15%(462万人)、軽度認知障害の13%(400万人)年々増加しています。
認知症の8割は80歳以上と報告されております。でも、普通の人がいきなり認知症になることはありません。誰しもが認知症になる可能性があり、徐々に症状が進み、発症に至るのです。 このため、家族や周囲の人が早く気づいてあげて早期に予防や治療に入ることが効果的なのです。
認知症と老化はちがう!
認知症のうち、半数はアルツハイマー型認知症。次に多いのがレビー小体型認知症、血管性認知症です。
アルツハイマー型認知症
もの忘れから気付くことが多く、今まで日常生活でできたことが少しずつできなくなっていきます。新しいことが記憶(メモリー)できない、思い出せない、時間や場所がわからなくなるのが特徴。昔のことは障害されないのでよく覚えています。
無気力、うつ、不安、興奮、すぐに怒る、などの周辺症状が見られやすいことも。
認知症の症状は3段階
- 初期(進行性の記憶障害)
- 中期(行動・心理症状)
- 後期(日常生活に障害)
初期症状:認知機能障害
- 新しく経験したことを記憶できず、すぐに忘れます。(直前の出来事自体をすっぽり忘れる。)
- 何度も同じことをいう。(数分の間隔で同じ話に戻る)
- 自分で片付けるも、場所がわからなくなる。
- 趣味や日課へ無関心に。
- 作り話をする。(もの忘れの失敗 を取り繕うために作り話をする)
中期症状:行動・心理症状
場所、時間、季節感が分からなくなるので以下の症状がでます。
- 妄想
- 徘徊(自分が今いる場所もわからなくなる)
- 抑うつ、不安感、不眠が強まる
- 食事や入浴、着替えが自分でできなくなる(日常生活で介助が必要になる)
- 興奮や暴力
- 不潔行為(失禁、失便)
後期症状:BPSD(人格の崩壊)
- 家族の顔がわからない
- 表情が乏しくなる
- 会話が全くできない(意思疎通ができない)
- 尿や便の失禁、放尿が常態化
- 寝たきりになる(歩行や座位も保てなくなる)
治療
認知症の治療はご本人が快適に暮らせるよう、またご家族や介護者の負担を軽くすることが治療の目的となります。主な治療には、本人の感情や興味を刺激し心の安全をはかる『非薬物療法』と、お薬による『薬物療法』があります。治療の最大の目的は認知症の進行のスピードを遅くすることです。
治療薬については、医師と相談して患者さんにあった薬を選んで開始します。認知症に思い当たる方や心配な方、ご家族の方はいつでも医師にご相談ください。