糖尿病(耐糖能異常)
膵臓では血糖値を下げるホルモンであるインスリンを作っています。糖尿病とは、なんらかの原因で、インスリンの分泌量が不足した(インスリン分泌不全)状態か、作られたインスリンが十分作用しない(インスリン抵抗性)状態、により血糖値が上がった状態です。
とくに、①40歳以上の人 ②太りすぎの人 ③家族に糖尿病の方がいる(遺伝) ④著しい運動不足、の方は糖尿病になりやすいので要注意です。
尿検査で、尿糖の陽性がみられたら
一般的に血糖値が160〜180mg/dlを超えると、尿検査に糖が検出されます。このため、尿に糖が見られた場合は、かなり血糖値が高い状態である可能性があります。(一部の糖尿病薬の内服中の方では、薬の効果のために尿に糖が検出されることがあります。)
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)
約1〜2ヶ月間の血糖値の平均を反映しています。糖尿のない方(正常)は6.2%以下です。
一般的に糖尿病は無症状ですが、放置すると7つの合併症が生じやすくなります。
- 糖尿病腎症(腎不全、さらには血液透析をしないと生けていけない状態に)
- 糖尿病神経症(しびれ、たちくらみ、こむらかえり、足は血色不良に)
- 糖尿病性網膜症(失明することも)
- 大血管障害(脳卒中・心筋梗塞)
- がん(大腸がん・すい臓がん・肝臓がんなど)
- 感染症(肺炎、尿路感染症)
- 歯周病(虫歯、歯槽膿漏)
基本的には糖尿病と診断されてもすぐに合併症はでません。しかし発症して数年~10年すると合併症が出現してきます。また、血糖値が500以上を超えると、のどの渇きだけでなく強い疲労感や脱力感、場合によってはこん睡や意識消失を生じる場合もあります。
食事時刻が不規則になってしまう人は糖尿病に要注意
- 夜勤のある工場での仕事・警備員・警察官
- 交代勤務のある看護師
- 長距離トラック、電車やタクシーの運転手
- 遠距離通勤者
- 飲食業など食事時刻に接客する仕事
- 深夜営業の仕事
上記の方は、不規則な食事で糖尿病にかかりやすく、食事の取り方には注意が必要です!
治療
糖尿病と診断されても、すぐ薬物療法を開始するわけではありません。食事療法や有酸素運動が基本になります。食事のとりかたの順番も大切です。野菜を先に食べ、おかず(たんぱく質・脂質)、炭水化物の順にとりましょう。
ただし野菜が不足したからといって、糖尿病の方には野菜ジュースはお勧めできません。液体である野菜ジュースは吸収が早く、血糖値は急に上昇しやすいです。
そして以下の10条を守ることが大切です。
- 甘い缶コーヒーをやめる
- 食後の果物をやめる
- 夜9時以降に食べることをやめる
- 職場で自分からお菓子を配るのをやめる
- ちょこちょこ食べるのをやめる
- お茶には、お菓子が必需品という考えをかえる
- もったいないから、という考えをやめる
- 袋ごと食べるのをやめる → お皿に出す
- 菓子を入れる缶を小さくする
- 無糖のコーヒーやお茶にかえる